愛情と矛先

君の強さは偉大なものだ

公演中止が正解かを決めるのは、今ではない話

※4日ほど前に書いて、下書きにいれていたものです。
その後検査結果で人数が増えてしまったことに関しては触れていません。

 

数日前、ミュージカルの一部公演が中止になった。

 

一人いないくらいなら、やれるんじゃないのか、
って役者さんにつっかかってるアカウントがいたが、
そんな事はない。

特に今作のような殺陣のある舞台に於いて、
一人欠けることの難しさをきっと想像しえないほどに
舞台の鑑賞経験のあまりない、完ぺきな外野側の発言だと思う。
件の人は別界隈のオタクみたいですし。おすし。

数日前に体調不良となっていた
アンサンブルの方が感染していた場合、
アンサンブル全員が1人ずつの楽屋があるわけもない。
(スタッフさんなんてもっと大人数で共有する控室という名の荷物置き場、みたいな形になるのが殆どだと思う。)

いくら楽屋内で声を出さずに、
あさっての方向を向いて食事をしたって、
稽古中もフェイスシールドに消毒に、
を繰り返していたとしても、
感染を完ぺきに防げるか、と言われると難しいだろう。
そもそも演者にとって楽屋は本番に向けてメイクや準備をしたり、
(配信で見る限り、本番中アンサンブルさんはずっとマスク?顔布的なものをしていた)
終演後体を休めるために使うところなんだから、
そこでずっとマスクを外すなって方が無理な話で。

きっと、同じ楽屋の人全員休ませます、
とするには、代役が揃わないのではないかと思う。


もし、感染者が
違うキャスト、スタッフさんだったとしても、
これに当てはまる。
全てにおいて替えが利かないから、中止せざるを得ない。
特に関連作と公演期間が被っていることもあり、
この公演の特殊さに対応できる代わりを探せない、ということも一因にあると思う。
狐の彼や、双子の彼のときのように、
怪我や疾患ではないから、周りもリスクを伴う。
その日の検査で発症が見られなくても、
結果感染していました、という可能性だってある。
(おぎやはぎの矢作さんが確かそんな感じでしたよね。)
未知の感染症がなによりも憎い。

 

大切な娯楽を奪わないでほしい、
という気持ちも、勿論わかる。

私自身この公演をものすごく楽しみにして、
聴きもしないCDを50枚以上買った。
それでもシリアルで当たったのは1枚だったし、
東京公演に関してはご用意していただけなかったので、
持っているのは地方公演の後方席が3枚のみ。
あるといいな、地方公演。
ないかもな、と覚悟はしているけれど。
どこで感染するかわからない世の中ですし、
誰も責めようがない。
今はただ、感染された関係者の方の回復と、
これ以上、感染者が出ないことを祈るほかない。


制作側からしても、
このまま公演を続けることで、
業界全体に迷惑はかけられない。

ただでさえ、初期に発生したクラスターが
舞台作品の観劇で起こったこともあり
芸術鑑賞的な娯楽に関しての世間の目は厳しい。
メディアでの認知度も少し出てきた作品なだけに、
今ここでマイナスイメージをつけるわけにいかない。

今回にしても、かなりの損害額があるとしても、
公演中止に踏み切ったのは英断だった、
と言えるようになってほしいと思う。

 

勿論、キャストの中にウイルス感染者が出ても、
代役を立てて成立している現場もあると思う。
興行的にも、金銭面が苦しい、ということも背景にあるだろう。

 

誰もこの現状を責められないし、
何が正解であったかは
もっと先の未来でわかることなのかな、と思う。

オタクとして、できることと言えば
静かに買い支える、くらいのことである。

物販もう少し足そうかな、とも思ったけれど、
これ以上グッズが増えると怒られるので
とりあえず今日もまたサブスクで仕事中に
推しの曲をサイレントリピート。
作詞も作曲もしてないから歌唱印税しか入らないんだけど。